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プロダクトで振り返る、ソットサスの歩み


戦後イタリアン・デザインを代表するデザイナーのひとり、エットーレ・ソットサス(Ettore Sottsass / 1917 - 2007)は、 1950年代以降のオリベッティやポルトロノーヴァとの協働でその名を広く知られるようになりました。

1960年代末からはラディカルデザイン運動へ傾倒し、1980年代にはデザイングループ「メンフィス」を創設するなど、ポストモダンの旗手とも言える人物です。

その革新的で感性に訴えかけるようなデザインの数々は、今なお世界中の人々を魅了し、後世のデザイナー達にも強い影響を与え続けています。

2026年6月23日~10月4日には、東京のアーティゾン美術館にて日本初の大回顧展「エットレ・ソットサス —魔法がはじまるとき、デザインは生まれる」が開催されます。
自由な発想や人間らしい感情を肯定するソットサスの作品は、AIの普及や国際秩序の変化など、人間のマインドや生き方自体が変わっていくような現代においても示唆に富んでいます。

エットーレ・ソットサス デザイナーページはこちら

olivetti オリベッティ


1958年にオリベッティ社のデザインコンサルタントに就任したソットサスは、コンピュータ「ELEA 9003」のデザインに関わり、1959年コンパッソ・ドーロを受賞。1968年には「真っ赤なバケツのバレンタイン」のコピーで知られるタイプライター「Valentine(バレンタイン)」をデザインし、1969年ゴールデン・デルタ賞が贈られました。
100を超えるコンポーネントが存在する「Synthesis 45(シンテシス45)」シリーズは、機能的かつデザイン性の高いオフィス家具として知られています。

タイプライター〈Valentine〉1969年

ワークデスク〈Synthesis 45〉1973-78年

ワークチェア〈Synthesis 45〉1973-78年

机上小物〈Synthesis 45〉1973-78年


olivetti ポルトロノーヴァ


1950年代後半に、トスカーナの家具メーカー ポルトロノーヴァのアートディレクターに就任したソットサスは、幾何学的な形や異素材の組み合わせ、鮮やかな色彩など遊び心のあるプロダクトを生み出していきます。
スペースエイジを感じさせる個性的な形状のミラー、ウルトラフラゴーラはポストモダン期の名作です。

ドロワー/キャビネット〈Tecnika〉1970年

ミラー〈Ultrafragola〉1970年


olivetti ビトッシ


1958~1966年にかけて、ソットサスはイタリアの陶磁器メーカー「ビトッシ」でセラミックコレクションを手がけました。
幾何学的形状を積層・接合したような彫刻的なフォルムには、遊び心と装飾性が宿り、のちのポストモダンを先取りする表現や建築的要素が色濃く反映されています。

インディアンメモリー


ソットサスは1960年代初頭にインドを旅行した際に、強い哲学的衝撃を受けました。また、その地で重篤な腎炎と診断され、その後アメリカ西海岸で療養しています。
「The Indian Memory」は1970年代にソットサスが構想していたデザインで、1980年代後半に陶芸作家アレッシオ・サリとの出会いによって、製品化が実現したものです。
これらの作品には、ソットサスがインド滞在やその後の療養生活の中で経験した非日常的な体験や死生観の変化やなどが反映されているのかもしれません。

olivetti メンフィス


ポストモダンの一大ムーブメントを牽引したデザイングループ「メンフィス」。その中心となったソットサスは、合理主義や機能主義的概念を根底から覆した、デザイン史上で重要な位置づけとなる名作の数々を生み出します。
独創的な色彩や、強い存在感を放つ形状、自らが考案した印象的なオリジナルパターンなど、既成概念を壊すような新たな表現を追及していきました。

1980年代後半以降のプロダクト


1988年のメンフィス解消後も、ソットサスは精力的にデザイン活動を続けます。
イタリアを代表するプロダクトブランドのひとつ、ALESSI(アレッシ)のためにデザインされた木製のキッチンシリーズ「TWERGI(1989年)」や、東京・六本木での展覧会のためにデザインした照明シリーズなど、ソットサスならではのユニークな造形や配色が目を引く、機能主義にとらわれないアイコニックなプロダクトが多数生まれています。

TWERGI / ALESSI

照明シリーズ

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METROCS

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